ステアリングを久しぶりに作った。
5年前に18本作って展覧会で販売して、それぞれ全てが車に装着されている。
今回、神山隆二さん作のロゴをレーザーで施す機会をいただけて、とても感慨深いです。
アートの鑑賞は人それぞれ
リビングの絵画を眺める
娘の練習するピアノを聴きながら花に水をあげる
友人手作りのジュエリーを愛用する
一人 夜の堤防でとっておきの釣竿を垂らす
火曜日の朝、待ちに待った週刊誌を買って好きなマンガの最新話を読む
夜のキャンプ場でこだわりのギアに囲まれて眠る
愛車の運転席でお気に入りのハンドルを握る
僕にとって、愛車の運転席はとびっきりのマイギャラリーだ。
以下、当時のテキスト
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出先から帰ると、工房の入り口にウッドのステアリングが置いてあった
親父に尋ねるとけんちゃん(親父のいとこ)が僕に持ってきてくれたのだという。
けんちゃんは器用なおっさんで、農家で朽ち果てていた古いスバル サンバー(軽トラ)を自分でオーバーホールして乗っている。
偶然僕も同型のスバル サンバー(軽バン)を手に入れたばかりで、車のことやバイクのこと等いつも相談に乗ってもらっていて、たまに部品をくれたりする。
手に取ってみると表面の塗装にひび割れも多く傷だらけ、金属部も錆が浮いている。といった状態でお世辞にもかっこいいと言えず閉口した。
数日間放置したが、このままではとても取付ける気にはなれず、だめ元でナイフをえい!と入れると、表面の茶色より明るい木の色が出てきた。
(そりゃそうか、表面は高級感を出すために色がつけてあるんだ)
なんてことを思いながら数刃いれるとムラムラムラムラ制作意欲がわき上がってくる
(俺の形にしてやる!)
万力をセットし、ノミの抽き出しをあける。
できる限りグリップ良く、でもハンドルが戻るときは滑りが良いように外側はつるっと滑らかに、
内包されている金属の輪っかに刃物が当たらないよう必要以上に削り過ぎないように、、、。
(こりゃ新しい自分のキャンバスを見つけたな)
なんてことを思いながら夢中で作った。
削り終わるとすでに遅い時間だったので、金属部の塗装は後日やることにして、写真を撮ってけんちゃんにLINEした。