Z jincup ceramic

From ¥6,600
税込

Z jincup ceramic

size : M / L

color : White / Cobalt

 

シン・ジンカップ

ここ数年、「木製 jincup」の新規取引のお問合せを全てごめんなさいと断り、いろいろな友達と会うたびに「木製 jincupをオーダーしたい」という申し出を全てごめんなさいと断り続けてきました。

ありがとうございます

僕らは冬に納品する木製jincupを作り続けている真っ最中です。毎日毎日手を動かしています。

地元の木材を乱獲することがないように、

余計な輸送コストをかけない為に、

慢性的な腱鞘炎に苦しみながら

無理のない範囲でその年の生産数は決まります。

そのため、近年は生産数に上限を設定させていただいていることもあって、

その年に作った木製jincupが僕らの手元にあるのは、完成してから納品するまでのわずか数日間だけ、というありがたい日々を送らせていただいております。

「オーダーのお問い合わせを断る」

言葉にするのは簡単ですが、精神力が試されるとても辛い作業です。ありがたい想いに押しつぶされそうになるのを耐え続けることになります。

そんなとき、僕が苦しんでいるのを見かねた城戸さんは

「何か助けられることはないかい」

と声をかけてくれました。

ONE KILNの城戸さんとは高校生の時に知り合った盟友です。

https://onekiln.jp/

jincupの原型となったAカップを発表したのは、2007年頃に城戸さん達と鹿児島で開催させていただいた3人展の時でした。

2016年にはスタイリスト石川アキラさんと ceramic kikisaを作ったこともあります。

城戸さんのONE KILNは鹿児島市にある陶芸スタジオで、ある時は桜島の灰で作った釉薬を使ってceramicsを作り、またある時は自ら山で粘土を掘って器を作ります。シン・ジンカップをONE KILNのスタジオで生産することは可能ですが、もしも、そのキャパ以上にオーダーが沢山きた場合に対応することが難しく、木製 jincupの二の舞になってしまいます。

彼らのブランドの活動こそ尊重したいので、

事業がスケールした場合も想定して形と生産方法をデザインすることが、「今回の肝」なのです。

そんな経緯で、城戸さんが修行時代を過ごした同じ九州の町、波佐見で仲間を探す事になりました。

この事業がスケールするためには、職人さんの力が必要となります。僕らも同じ職人なので、彼らが無理をしない生産方法を検討し、彼らの美しい仕事が生きる方法を模索しました。

「排泥鋳込み」という技法は生地職人の腕が試される技法です。

磁気の粘土をトロトロな泥になるように調整して、型に流し込み、一定時間待って泥をこぼすと、ある程度の厚みで型に残るのです。こぼす時の泥の切り具合や、待ち時間の調整によって器の厚みや内側に残る形が変化します。

「ここが気に入った」

それぞれが少しだけ自然な個性を持った個体として成形されるのです。

経験のある良いデザイナーほど、生産と流通の為に、再現性を前提としてものづくりを進めることになります。

業界に飛びこむ 新人の陶芸デザイナーである、僕に出来ることは何か。

とにかくアウトプットしてみようと思います。

どんなに再現性の高いデザインでも、必ず人の手で仕上げてあります。

「不定形を定型する」

このjincupデザイン哲学をjincup ceramic」もしっかりと受け継いで行きたいと思います。

シン・ジンカップの日本上陸は近い。ぎゃおーーー

「香港、アメリカでもね」


城戸さんへ ありがとう。一緒にモノづくりができて楽しいです!目の前のあなたの為に、お互いがんばりましょう

jinAkihiro     september 2022

 

 

Z jincup ceramic

ぼくらは毎日10時と15時にコーヒーを飲むんです。
20年以上、毎日使っているお気に入りのコーヒカップがあります。
「(中茅窯)川野さんのカップの釉薬は作灰(ゆすばい)を使って作ってるんだぞ」
親父から聞いていたけれど、聞いた当時は(木工作家なので)薬のことはよく分からなかったが
好きな色で、毎日毎日毎日毎日使っていて見えてきたことがあります。
昨年、コーヒー釉薬を作る経験をして、柞灰釉薬の原材料は木から出来ているんだと気づいたんです。
柞の木を高温で燃やした灰が釉薬になるんだと。僕がやったことのない木工、
「ネオ木工だ!」と言語化できて、
柞灰でjincup ceramicを作ることしか考えられなくなりました。
柞の木は鹿児島や宮崎で育つ銘木で、深みのあるいい色をしていて地元のおじさんの中にはファンが多い。
特徴として、とても堅くて比重が重い木が南国鹿児島の強い日差しを浴びておおらかに育つので、製材後も捻れたり木割れしやすいという性質があり、指物家具や建材として使うと完成後に予想できない動きをするので、
ほくらは家具制作に選んでこなかった木なんです。
まず、自分たちで灰を作ろうと考えて、市場で作の木を落札して、同時にONE KINの城戸さんに話したところ、
すぐに取り寄せた柞灰を使いテストで焼き上げてくれたんです。仕上がりは上手くいかず、台座にくっついたり
穴が空いたりしたんですが、釉薬が溶けてガラスが溜まっている部分がとても美しく、可能性を感じました。
それから川野さん含む色々な先輩方に教えを請いました。
柞灰は鉄分が少ないため、大昔から作陶家たちが「白」を求めて研究してきた歴史があること、
今は作の木が減ったため天然の柞灰がなかなか作れず、現代では人工作灰が主流であること、
人工的に成分を混ぜて作るためこちらの方が鉄分量が均一で仕上がりが安定するということ。

川辺の隠れ落という大きな穴窯でも作しました。
粘土で作ったそのままの器や素焼きの器を素に並べ、3日3晩薪を燃やし続けて焼き、器に掛かったその灰が
1200度の温度で溶けて不純物が燃焼します。残るのはガラス質。
「これが釉薬の正体だ!」ダンプから巨大な薪を下ろし、みんなで窯に焚べながら友達になりました。
人工作灰を見て釉薬をより深く知るため、
城戸さんと波佐見の工房をいくつも訪ねました。
釉薬の素材屋さんに伺い、たくさんの色見本や品物を見せていただきました。
鉱物の世界である釉薬の粉の管理はすごく面白くて、
興味深くやりとりしていると、
「うちは歴史があるので、天然作灰も持ってますよ」
という話が出ました。今はわざわざ高価な天然の
柞灰を選ぶ人がいないので使われることはほとんど
ないが、昔から持っている在庫が残っていると。

「ウヒョー!天然でやります!」
その場で天然柞灰を押さえてもらいました。

少年からおじいちゃんになっても、モノを作り、
それを使うことを楽しめる社会であるために、
これからも真剣にモノづくりに向き合っていこうと思います。
コップを毎日使う「あなた」の生活に溶け込み、
幸せな時間に寄り添う器になることを願います。
わっせー
AkihiroWoodworks、ONE KILN、波佐見の藍染さん、
生地職人の土橋さん、隠れ窯のイケおじたち、川野さん、取扱店、
あなたに感謝を伝えさせていただきます。

Neo木工作家アキヒロジン 2024